Ghost Lovers
――もう何をどうしたらいいのか分からない。
私は、まるで蜘蛛の巣にかかった蝶だ。
いや蝶じゃなくてただの虫。
(もう終わった…!私の人生終わった…!!)
どうせ、働くことになっても食べられるのが関の山。
でも今、怒り狂った足音に食べられるのも見えてる。
…とんでもない悪魔に掴まってしまった。
その悪魔は、また浮かんだ私の涙を
今度は指で掬う。
またそれをぺろりと舐めては、銀色の髪を揺らし
漆黒の瞳で私を見つめた。
「お前の泣き顔、気にいった。」
「逃がしは、しない。」
どうする?
ニィ、と笑ったその笑顔。
最悪だ……っ…最悪だーーっ!!
でも、今の私の未来は限られている。
カツンカツン、不気味な足音が、近づく。
「よ……、」
「よろしくお願いします……っ」