Ghost Lovers
何故?
と言った様子で悪魔は首を傾げる。
今度は大声を出さないように、小声で私は異議を唱えた。
「だって……っ!私、幽霊とか妖怪とか
そーいう類、完全無理だし…」
この洋館で妖怪の世話だなんて
想像しただけで鳥肌が止まらないよ。
しかし悪魔は不服そうに、鼻を鳴らして
私の顎を先ほどのように持ち上げ、言った。
「ここに迷い込み――…俺が見えたのが運の尽きだな。」
「私、ただの人間ですって!」
ほんと、ただバケモノが見えるだけ。
それだけなのに、こんな私のどこが気に入ったのだろう?
考えれば考えるだけ、おかしくなりそうだ。
「――逃がさない。」
「と、言っただろう?」
大魔王かこの人――…っ!!!