Ghost Lovers
悪魔も笑った。
その笑みは、さっきとは違う、優しい笑み。
「そうか…小町、いい名だ。」
「ハイハイ。そーですか。」
「俺はここの管理人。悪魔だ。」
「見れば分かるよ。」
素直じゃない、なんて口を尖らせる彼に
鋭い視線を向ける。
そんな従順な女じゃないんです!
顎からパッと手が離れて、
また黒い羽根が私の鼻をくすぐった。
「俺の名は――”凜”。」
――この悪魔が、”凜”…
「そ。よろしくね、凜……っていうかくすぐったいから!」
「ククッ…あぁ。」
「契約、成立だ。」
負けない。屈しない!
人間だからって、
妖怪なんかに食べられてたまるかーーっ!!
そう強く、私は心に決めた。