Ghost Lovers

そのまま凜は、ゆっくり踵を返して
ドアノブを握る。
出ていくのかと思いきや、
私の方を振り返って言った。


「夜になると…みんな目覚めてくる。
 喰われねぇように気をつけろ。」
「夜って…どうせ寝てるし。」
「油断すると寝込みを襲われるぞ。」


(寝込みーーっ?!)


これじゃあ夜も安心して眠れないじゃん!

朝に寝ろ、と簡潔に言った凜。
私、人間ですから!


「昼夜逆転生活だよ~…。」
「ハッ…諦めろ。」



でもそれも、ここで生きていくためなんだと思うと
仕方がないなんて、思う。


ここじゃないと―――私、きっと居場所なんて無いから。


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