Ghost Lovers
トントン、と優しいその手に
反射的に私は振り返る。
何も、考えずに。
「あれー?君、人間だ。」
時が、止まったように感じた。
振り返った先にいたのは、凜でもなく気のせいでもなく――
一人の、少年。
私よりも身長は少しくらい高いだけで
同い年に見える凜よりは、少し顔立ちは幼い。
金色の髪と、透き通るような青い瞳。
言葉を聞く前に、瞬間的に感じた。
この子、人間じゃない。
「ヒッ……!!」
一歩仰け反ると、また一歩近づいてくる。
どこか楽しげで、彼の大きな瞳が私を興味深そうに捉えた。
固まった私の周りをくるくる回って眺めては、
嬉しそうに微笑む。
見えてるんだ、と呟いて。