Ghost Lovers
「に…人間とか、食べるの…?」
ふいに私の口から出た純粋な質問。
凜は「丸飲み。」とか言ってたけど……
私と背丈も変わらない男の子だよ?
しかも、神様だし…
「ん?僕は一応神様だからねー。」
「そ、そっか!」
「生贄しか食べられないんだけど、」
その返事を聞いて、つい安堵してしまった。
「普通は、ね。」
……普通は?
スッ…とさり気ない仕草で
私の長い黒髪を指先で摘まんで、弄る。
彼の視線はその指先にあるのに
何だか触れられている髪から、
ジロリと探られているような、嫌な気配。
「ね…知ってる?」
「何を…」
伏せた目が、ニヤリと笑う。
「妖怪ってさ、自分が見えてる者にしか
触れられないんだよー。」
チュッ、と音を立てて
喜代は指先の髪にキスを落とした。
「君は……僕が見えてるもんね?」