Ghost Lovers



――ヤバイ。



そう感じたときには時既に遅く。
徐々に近づいてくる喜代から、身をよじって逃れようとするが
やはり力は男。
咄嗟に掴まれた右手から、痛みが伝わる。


「やっ…!離してよ!」
「安心して?」


表情だけは変えない喜代に、恐怖を感じた。

向かい合った視線が、徐々に上がっていく。
……上がっていく?



「……ッ…!?」


喜代の足元を見ると、人間だった足はそこにはなく。
彼の顔が、身体が―――金色の龍に変わっていく。


< 58 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop