Ghost Lovers
――ヤバイ。
そう感じたときには時既に遅く。
徐々に近づいてくる喜代から、身をよじって逃れようとするが
やはり力は男。
咄嗟に掴まれた右手から、痛みが伝わる。
「やっ…!離してよ!」
「安心して?」
表情だけは変えない喜代に、恐怖を感じた。
向かい合った視線が、徐々に上がっていく。
……上がっていく?
「……ッ…!?」
喜代の足元を見ると、人間だった足はそこにはなく。
彼の顔が、身体が―――金色の龍に変わっていく。