Ghost Lovers
三人もの妖怪に囲まれているのに
少しだけ怖くないのは、
凜が傍にいるからだろうか?
それとも、みんな人の姿だから?
どちらにしても、凜に向かって
直立不動で引き攣った笑みを浮かべたままの
喜代と楼が可笑しくて
凜の小脇に抱えられたまま、私は思わずクスクスと笑った。
「何が可笑しい?」
「ふふっ…だって、何か凜って強いんだなーと思って。」
そう言うと凜は、
当たり前だ、と口を尖らせた。
「ただの居候に管理人が負けるか。」
「居候って!酷いよ凛くん!」
キャンキャン反論する喜代も、
何だか可愛らしい。
……さっきの姿を忘れたわけではないけれど。