Ghost Lovers
調理器具は錆びてるし、
水も何か生臭いし。
冷蔵庫の中に……蛇か龍と見られる干物と
動物の生肉の冷凍保存があったことには
本当に腰を抜かしかけた。
もちろん、それらは腐っててどうしようもない。
凜が「食べない」と言った理由が
今ようやく理解できた気がした。
……本当にここ、使われていないんだ。
「どーすんのよこれ……。」
「お腹すいたよー。」
「私だって!」
朝から何も食べてない。
少しだけでも期待した私が馬鹿だった。
もうここまできたら、全部が全部ボロボロなんだ。ここは。
料理は苦手ではない。寧ろ得意。
朝ごはんー、と食卓に腰かけて叫ぶ喜代に
私の腕を披露してやろうと思ったのに。
これでは、キッチンが使えるようになるまでに
時間がかかりそうだ。