Ghost Lovers

「ハァ……。」


でも、キッチンが使えないと
私の命が危ういよ。

他はみんな妖怪だから何とかなるのかもしれないけれど
私は生身の人間だ。
そんな特殊な能力持ち合わせていない。



――何とかしないと。



そう思った時、私の頭上から
ヒラリ、と羽根が一枚落ちてきた。
……黒い、羽根。


「…朝っぱらから何をやっているのだ。」
「きゃあっ!!……って、り…凜!」


見上げると、天井に逆さまでぶら下がるようにして
私たちを見下ろす凜の姿。

どうやっているのかは分からないけれど、
傍から見ればホラーだよホラー。


「あーおはよー凜くん。」
「さっきも会っただろう。」


おはよう、と当たり前のように交わす二人に
思わずつられそうになるけれど
今は完璧に夜中。
良い子は寝ている時間だ。

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