Ghost Lovers
クルン、と一回転して
天井から石板の床に降り立った凜は、
何故だか眉間に皺を寄せて
機嫌の悪そうな表情。
さっき助けてもらったことに対して
私が怒ったこと、まだ根に持ってんのかなー…
「オイ、お前。」
「は、ハイ?!」
お前?!
小町、と私のことを呼ばない凜に
思わず動揺してビクッと肩を揺らした。
…絶対コイツ怒ってる!!
「朝だぞ…喰われるつもりか。」
「どうせ寝てても食べられるんでしょ!」
「僕がねー朝ごはん作ってほしいって言ったの。」
「…は?」
間延びして、呑気な喜代の言葉に
益々凜の皺が濃くなった。
「き、喜代が部屋に乗り込んできて
朝ごはん作ってって言われて、」
「飯……」
「寝れないし…そ、そーいうわけです!」
ギロリ、と睨む凜の視線にも動じない喜代は
へらへら笑って「朝ごはん!」と叫ぶ。