Ghost Lovers
私が傍に来たことを確認した喜代は、
にっこりと微笑んで、私に左手を見せた。
「わっ……!」
「綺麗でしょー?」
キラキラと、金色に輝く喜代の手。
綺麗な星屑のようなきらめきが、
まるで川のように手のひらで渦を巻いている。
それを、先ほどの凜のように
冷蔵庫の中へ勢いよく突っ込んだ。
途端に、目も開けられないような光が
冷蔵庫の中から溢れだして
私は思わず腕で目を隠す。
黒い霧とは違い、それはものの数秒で消え失せた。
「え――…っ」
呆然と、口から驚きの声が漏れる。
今まで腐り果て、虫達に食い荒らされた
冷蔵庫の中身が、綺麗さっぱり新品同様に変わっていた。