Ghost Lovers
「何……ココ…」
中々治まらない振動の余韻。
助手席にしがみついたまま、
絶句した私の口から出たのはただこの一言だった。
――目の前に聳え立つ建物。
今まで色んな空き家に住んできた。
とんでもないボロ家もあった。
(屋根が無かったり、床が抜けてたり)
でも、今、目の前にあるのは。
(ホーンテッドマンション?!)
まさにその例えがピッタリな、
お伽話から飛び出してきたような――洋館だった。
(ようかん…って、このことだったのね…)
眠る前の両親の会話を思い出す。
確かにようかん、がどうとか何とか……