Ghost Lovers
「…凜、」
凜が黒く染めたところから、後を追うように
喜代の金色の光が覆っていく。
まるで、死と再生が繰り返されているみたいに。
私は思わず、無言で作業を進める凜の背後に近付いて
彼の名前を呼んでいた。
凜はこちらを振り返ろうともせず
なんだ、と声だけを返す。
「危ない。近寄るな。」
ぶっきらぼうでも、そう言ってくれるのが
凜の優しいところなんだ。
出会ってまだ一日も経ってないけれど――彼の存在は、温かい。
「ねぇ、凜はさ。」
「……」
「その力で、何をしてきたの――…?」
そんなこと聞くべきではないと、頭のどこかでは分かっていた。
でも、凜はただの残酷な悪魔なんかじゃないと
これから一緒に住む存在として、安心したかった。
「滅ぼしてきた。」
「それだけだ。」
嘘は、吐かない。