Ghost Lovers


「小町、」
「ん?」


ようやく凜は私に首を向けて
名前を呼んでくれた。



「待たせた。」



微笑む凜に、つられて微笑み返す。


「…いいよ。ご飯、作る!」
「あぁ。」


服の袖を捲って、キッチンに立つ。
深夜だからか眠いのには変わりはないけれど
誰かが傍にいるのが、心地いい。


「…不味かったら承知しないぞ…」
「ゲ…。不味くないもん!」


凜のイジワルが、どうしてだろうか懐かしい。


「あ―…ねぇ、あの狼くんはいいの?」
「え~?楼くんはいいの!」
「あぁ、いらん。」


油断するな。

と、案の定釘を刺され
ぎろりと凜は喜代も睨んだ。


「コイツもだ。」

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