Ghost Lovers
「やることは、いっぱいだな。」
自分が住めないのに、他人に売れるわけがない。
今まで散々その繰り返しをしてきた私にとって
悲しいかな、これは日常だった。
――学校へ通うのは、この生活が落ち着いてから。
行きたい気持ちが無いわけではないけれど…
妖怪に乗っ取られたままは嫌。
凜の部屋の前を通り過ぎる。
何となく起こしたら悪いかなーなんて思って
自然と扉の前は忍び足になった。
起きてきたら起きてきたで、
また何を言われるかわからないよ。
「掃除なんてしても無駄だーとか言いそうっ」
一人でくすくすと笑いながら、
部屋の前を過ぎた。
「…失礼な奴だ…。」
後ろで、静かに開かれた扉の隙間から
凜が見ていたことには、気がつかずに。