Wolf..
01 俺
カーテンの隙間からこぼれる光。
激しく音を鳴らし叫ぶ目覚まし時計。
「うっせぇな……。」
左手を伸ばして、目覚まし時計を取った。
目が開かなくても、大体場所は把握出来る。
カチッという音と共に、けたたましい雑音は消え去った。
「……げ…。10時過ぎてんじゃん…。」
一つ溜め息をつくだけで、遅刻だというにも関わらず、ダラダラと制服に着替える。
しわくちゃになったYシャツ。
なかなかデザインが良いズボン。
ネクタイは面倒くさいから着用せず、Yシャツのボタンを二つ開ける。
俺は面倒くさがりだしねっ
なんて言い訳は、お父さんにしか通じない。