Wolf..
03 wolf
俺はリビングで正座をさせられ、ガッツリと怒られた。
「…まぁ、無事で良かった。」
「ごめんなさい…。もう怒らせない。いつか三浦さんに会ったら謝る。」
しょんぼりと俯いていたものの、お怒りの言葉は優しいものばかりで。
『女の子が1人で出歩くな』
『助けてくれた人が変な人だったら…』
『あの男の子に感謝しなさい』
なんて、親バカなお父さんが大好きなんだけどな。
「アイツね?郁哉ってゆーんだっ!ホントは助けてくれたのが龍ってヤツなんだけど…」
助けられたときのこと、レイや郁哉、そして紺野のこと。
俺は全部お父さんに聞いてもらった。
「由羽、楽しそうだな。その子たちと仲良くなれるといいな。」
「うんっ!!また会いに行くんだ!アイツら面白いんだもんっ。」
お父さんは優しく微笑んだ。
怒っていたお父さんはどこやら。
ポンポンと俺の頭を撫でるお父さん。
「な…、なんだよっ!」
「由羽は可愛いなぁ。」
「そこまでガキじゃないっ!」
ハハハと大口開けてお父さんは笑った。
俺の不安な気持ちも消え、自然と照れくさい笑みがこぼれた。