夢で見た君との空
あたし達はぶらぶらと近くのゲーセンを回った。
お金も持ってきているし、章は誰よりもユーフォーキャッチャーがうまかった。

あたしがほしい、と言ったぬいぐるみやお菓子を、いとも簡単に取ってくれた。

話しやすくて、心地いい空間。
この一瞬一瞬を大切にしなくちゃ……。
あたしはそう思い、静かに胸に誓った。




「莉亜!」

そろそろ遊び疲れた頃。
あたしは章の方へ顔を向けた。

「ひゃっ!」

章はあたしの頬に冷たいジュースの缶をくっつけた。

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