夢で見た君との空
どんなだって……。
カッコよくて、優しくて……。
でも、そんなことは口が裂けても言えないから。

「女の子と親しすぎかな?って……」

と冗談交じりに言ってみた。

「マジで?俺、そんなふうに見えてた?」

章は大袈裟に笑う。

「だって、仲良すぎるじゃん。今だってそうでしょ?」
「あー、ごめんごめんっ。実はさ、気を引こうと思ってた」
「え?」

章は急に真面目な顔つきになった。
あたしはドクン、と胸が鳴るのを聞き取る。

「莉亜を初めて見たのは、入学式だった」
「うん……」
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