夢で見た君との空
「わりぃな!こんな話して。絶対、莉亜には言おうと思ってた。いつかは、だけど」
「うん、聞けてよかったよ……」

あたしは苦笑いを必死に明るく見せてみた。
章はあたしが無理しているのに気づいている。

「そうか、ありがと。送るわ」
「あ……そうだね」

辺りはもうすでに真っ暗だった。
時刻は8時をゆうに越えている。



しばらく歩いた。


「じゃあ、ここだから」
「あ、うん。また明日な!」

章は笑っている。
寂しげな笑み。

「うん、またね」

あたしも笑った。
< 27 / 55 >

この作品をシェア

pagetop