夢で見た君との空
「荷物持ちじゃねーよ!優、それはヒドイだろーっ」

章は優さんが言った言葉を冗談だと思っている。
この、極悪な性格の優さんに章が騙されていると思うと、むしょうに腹が立つ。

「えぇ~?だってそうなるんでしょ?これから♪まぁ、章の買い物は荷物が多いから、あたしは無理だね♪頑張って?『莉亜チャン』♪」

優さんは語尾を軽く強調し、しなやかな動きでその場を後にした。
去っていく優さんを少しだけ睨んでみる。

章は

「待たせたな、優、なんか言ってた?」

と機嫌よく聞いてきた。

「別に!!」

あたしは口を尖らせた。
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