王子様のKiss
…うん、仮病使おう。
「頭痛い」って言えば、
保健室なんかいつでもいけるし。
俺は手を挙げた。
「先生、頭痛いんで保健室行ってきます」
「どうぞ。」
ほら、ちょろいもんだ。
俺は立ち上がってドアの方に向かった。
歩いているときに、
女子のしゃべり声が聞こえる。
「拓真くん保健室だって」
「私もいきたい〜」
「キスされたりして」
ちらっとその女子達の方ほ見る。
そしたら…
「キャー!浅野君に見られちゃった!」
「え~、ずるい!」
甲高い声が響く。
…うるせぇー!