王子様のKiss
「えっと…あの…」
何を言えばいいかわからず、あたふたする。
すると、男が私を抱えて立ち上がった。
「大丈夫?」
「あ、はい…」
怒られると思ったら、
その声は優しくて、安心する。
…っていうか、めっちゃ近づいてるしぃ!!
反射的にばっとその男から離れる。
「?」
不思議そうにこっちを見るその男。
目がじっと合う。
…うぅ…
怖いし、恥ずかしいし、
わけわかんないよ…っ!
「……え…」
男が言葉を発す。
「え?」
「…名前。」
「…へ??」
いきなりのことで唖然としてしまう。