王子様のKiss
「お前、名前なんていうの?」
「…私の名前…安藤夢夏!」
…あぁ!!
名乗っちゃったよ?
口が滑っちゃったよ…
つい、教えちゃったよぉ!!!
「俺、浅野拓真。名前で呼んで。」
「え…うんっ」
……何、納得してるんだ、自分――ッ!!
そんなことを心の中で叫んでいたら、
ふいに私の頬に暖かい大きな手が添えられる。
「…え?」
…何!?
なんなの!?
やだよ…
…でもなんでだろう…
すごくほっとする。
…安心する……
それは…
「…じゃ…」
君が優しいから…
暖かいんだろうな。