王子様のKiss
帰り道
【拓真Side】
……なんなんだ…
この気持ち…
いつもなら…っていってもあんなに豪快にぶつかることなんてねぇけど、
絶対、スタスタ歩いて行く。
はずなのに…なんでだ…
名前まで聞いて、自分でも名乗っちまった。
…なんか、調子狂う……
ふと、隣に目をやると、
俊介が、何も言わずただ驚いてた。
「…どうした?」
「いや…お前やっぱすげぇな。」
「は?」
「あの、安藤夢夏に声かけるとか…」
「……あの?」
あのってなんだ、あのって。
まるで有名みたいな言い方をする俊介。
「馬鹿!あいつ、超モテモテなんだぜ?でも、男作る気はないから、
まだこの学校で、告ってOKもらってる奴、いねぇんだとさ。」
男作る気ねぇ…か…
そういや、保健室の時も
すぐ、逃げるように行っちまったしな…