王子様のKiss
……あいつのこと考えると、また変な気持ちになってきた。
やめよ。
…と思いつつも、どんどん時間が過ぎていく中、
ずっと、あいつが…
夢夏が頭の中でぐるぐる回っていた。
…はぁ…
ダメだな…俺。
もう、決めたのにな…
◆ ◆ ◆
「帰んねぇの?」
俊介に声を掛けられはっとする。
……もう帰る時間かよ…
窓の外は、何気なく暗くなっていて
赤がかってた。
「…さき帰っててくれ」
何を思ったのかこんなことを言ってしまう。
「わかった。…拓真。」
「?…なんだ?」
「……俺は、別にあいつのことなんか考えないでもいいと思うぜ?
じゃ…」