王子様のKiss

にこにこ笑う目の前にいる夢夏。

俺は、何に耐えきれなくなったのかわからないけど、夢夏の方へ進んでいた。

そして俺は…

「…」
「きゃっ…」


夢夏を抱き締めてた。

…ずっとこうしていたい。なんでこんな気持ちになるのか、自分でもわかんねぇ。理解できねぇよ。

なんだか、落ち着いてくるんだ。


「き…」
「?」
「きゃああぁ!!」
「え?…うわあ!」


夢夏は奇声をあげたと思ったら、俺は思いっきり、押された。
というか……

タックル…じゃね?これ!

「ああ!ごめんなさい!!」

むくっと俺は起き上がった。

「大丈夫…」
「ごめんなさいぃい!!」「お…おい!?」


言葉を遮られたと思いきや、謝られ、その勢いで夢夏は家に入ってしまった。


「…ははっ!」


面白いやつ…

いっつもにこにこしてて、いきなり、逃げて、
たまに悲しい顔して…

…やばいな


…気になるかけてる、夢夏のこと。

でも…好きになったらダメだよな…


俊介の言葉を思い出す。

“あいつのこと、気にしないでいいと思うぜ?“

…そうだよな……

少しはあいつのこと忘れて、いいよな…

俺はあいつと、夢夏のことを考えながら、家に入った。
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