王子様のKiss



プルルル……

電話がなりだす。
私は受話器を取って、出た。


「もしもし…」
『椿?潤だけど!』
「潤!?どうしたの?」
『日曜空いてる?どっか行かない?』
「え…うん!あいてる!」

私は地元のお祭りに誘われた。

初デート。

浴衣何きてこうかな…
髪型どうしよう…

悩みまくった。

なんたって、初めてで、どうしたらいいかわからなくて……


悩みに悩んだ当日、
桜がちりばめられている絵の浴衣にして、
髪は、上でおだんごにした
ちなみに、浴衣は奈美ちゃんに着せてもらいました♪

「いってきまーす!!」


私は待ち合わせの場所まで駆け足で行った。



待ち合わせの場所に潤の姿が見える。

「潤ー!!」
「っ!」


私が、近づいて手をふると、潤は驚いた表情をした。

「…やっぱ変かな?」
「…」
「潤…?…わぁ!」


いきなり、抱き締められる。

「すっげー、かわいい!」「え…」
「あ!…ごめん!つい」
「いや、いいの///」


あんなに明るく、いや、
あんなに優しく抱き締められたのは、初めて…


私達は手を繋いで、屋台を見て、花火も見た。

キスはしなかった。

ちょっぴり期待してた。
でも、いいの…

抱き締められただけで…

私すっごく幸せだから…


でもこれが、
潤と私の、最初で最後の、優しい抱き合いだったんだね……
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