王子様のKiss
「…おう……」
俊介は周りを見て、そそくさと席に座った
まったく……
本当になんでこんなに元気なんだよ…
「…で、本当になんもなかったのか??」
「…」
無言のままこくりと頷いた俺を見て、納得がいかないというような顔をする
何も無ぇもんは無ぇもんな…
嘘はついてない
何も無かっ……た…??
途中から本当に何もなかったかと思い、考え直す
「……抱き締めてた………かも…」
「えぇっ!??まじでか!!お前にもやっと春という名前の季節が……」
「拓真───…くん??」
「「…は??」」
突然二人の会話の中に入ってきた可愛らしい声。
そいつは紛れもなく、今話題になっていた……
「…夢夏?」
…だった