恋愛詐欺‐高校生‐
先生の左手の薬指に光る指輪を見て、
幸せなのかなぁと思った。
「先生はマリッジブルーなんないんですか?」
聞いてから、
(あ、ちょっと聞くこと間違ったかなぁ…)
なんて。
こうゆう時いつもの先生なら
「あっはっは!何言っちゃってんの、この子は!」
と大きな口を開けて笑ってくれるはずだ。
でも返ってきた言葉は案の定違かった。
「どうして?」
明らかに何か言いたそうな目をしている。
それが
自分は今幸せなのに、
その気持ちを踏みにじらないで
って気持ちなのか
実はそう、
ちょっと早めのマリッジブルーなのよ
って気持ちなのか
焦ってしまってさっぱり見当がつかない。
先生の目は私の答えを待ち切れないとでも言うように、私から目を離してくれない。
「だって先生凄く幸せそう。
結婚したらマリッジブルーになる人もいるって聞いたことあるから、先生はそんなことないんだな、良かったぁ、先生の幸せが1番だもん。
って思ったから。」
少しはにかみながら適当なことを言った。