リク小説★
楽しく過ごす…
はずだったのにな。
海のお人よしはよく知ってる。
どんだけバカなのかも、知ってる。
…知ってるけど…。
どこにあんな嘘を本気で真に受ける奴が居るのよー!!!!
事の発端は約15分前。
「――きゃっ!!」
「うわっ!」
ドン、と海にぶつかった
ミルクティー色の髪をしたロングヘアーの女の人。
海の声に咄嗟に目を向けると、
海のシャツにはべったりとソフトクリームの白が付いていた。
「えっ…!」
目を見開いて女の人を見ると、右手に半分ほど無くなっている
ソフトクリームを持っていて。
あちゃー…。
ついてないなあ、海。
「ごっ…ごめんなさい!!」
「あー…いえ、大丈夫です。」
咄嗟に慌てて謝る女の人に、海は軽く頭をかいて
“気にしないで下さい”
そう通りすぎようとした時、
「まっ…待って!」
こんなに大きくクリーム付けられておいて
『気にしないで下さい』ってゆうのもどうなの?
とか思ってたけど
海の右手をぎゅっと握って、上目使いをする女の人に、あたしはア然。
えっ…?ちょっ、と?
「あの…弁償します!」
「…へ、弁償?!」
うっすらと浮かんだ涙も
テカテカした唇も
その谷間見せてるニットも!!
なにこれ?!
完璧に海を狙ってるよね?!
「や、本当、弁償なんていいですから。」
「そんなっ…悪いです…!」
逆に焦ってるバカな海に
胸を見せ付けるように上目使いを貫く女の人。