リク小説★
なっ…?!
ちょ、ちょちょちょーー!!!!
夢の国で、
な、なんちゅーことを!!
…って、そうじゃないだろあたし!!
誘われてるのは彼氏だって!!
「かっ…海!行こうっ?」
ぐいっと腕を引いて女の人から離れようとした
…のに、
「…あっ…!」
背後から聞こえた軽い悲鳴のような声に振り向くと
どうやら…泣いているご様子。
……ちょっ、ちょっとちょっとー…?
どうしよう?
なんて悩むあたしとは逆に、お人よしの海は迷わず駆け寄って行った。
………ばかじゃないの?
完璧に演技じゃんかっ…!
そんな事も恐らく、海は微塵も気付いていなくて。
はあ、とため息を吐いてあたしも背中を追った。
「…あの、大丈夫ですか?」
何て、本気で優しい声をかけている海にイライラが募る。
…なんで。
そんな言葉も
そんな表情も
今見えている海の行動に
きっと嘘なんて一つもなくて。
あたしと居るときと同じ
何も偽っていない海に
なんだか腹が立って。
「コンタクト…落としちゃったみたい…」
そんな海のお人よしに
嘘丸出しの言葉を吐く目の前の女に
波の様に押し寄せてくるイライラをぶつけてしまいたくて。
「えっ…?!大丈夫ですかっ?!」
「…ちょっと、海…?!」