リク小説★
“素直じゃない”
なんてもんじゃない。
もはや病気なんじゃないのか。
「…はは、重傷。」
掠れた笑いも、ただ空気に飲まれて消えていく。
ああ、痛い。
なんか痛いや。
……当たり前、か。
彼氏が見ず知らずの女とキスしてたんだもん。
そりゃちょっとは痛いよね。
……でも。
「…っく、ぅうーー…。」
海?
これは"ちょっと"じゃないかも。
苦しい。
悲しい。
もどかしい。
どれか一つの言葉で表せる感情じゃないけど
混じり合って
押し寄せてくる。
「……っぐす…、」
「なーに泣いてんの?」
「………は…」
…何だ、この人達。
俯いてごしごしと涙を拭うあたしに、突如大きな影が被さって来て
ぱっ、と顔を上げると
見知らぬ男3人が目の前であたしを見下げていた。
「彼氏と喧嘩でもした?」
……な、
的を得ているところが
ムカつく。
「……別に。」
「うわっ、超かわいいじゃん!」
「ねえ、一緒に遊ばない?楽しいよ?」
……ナンパ?
全く楽しそうじゃない。
この人達も嘘つきだ。
どうしてか、今目に映っているものの現実味が持てなくて
頭の中でぼんやりとそんな事を考えていた。
とゆうか
……どうでも、いい。