Diamond devil
「なーに、相変わらず青白いなぁハルは。ちゃんと食べてる?」
「普通に食べてるよ。朝からそんなに元気なオハナの方が異常なんでしょ?」
「腹立つ〜。ちょっとどう思う、サク?」
「ま、ハルはこういう奴だって」
私がそうフォローにならないフォローをすると、オハナはハルに向かってべーっと舌を出した。
オハナ、櫻井華【さくらいはな】は私とハルの幼なじみで、今通っている高校で、私以外に唯一ハルの正体を知っている人物だ。
地元の高校とは言っても、お金のかかる私立なので、小中時代の同級生はほとんどいない。
だから、ハルに対する噂も、どんどん尾ひれが付いて肥大化する。
「そういえばさ、今度は元華族とかいう噂が立ってるらしいよ」
ツインテールの長い髪を揺らしながらオハナが言った。
「はぁ?何ソレ?この人が華族のお坊っちゃま!?フィルターのかかった目って恐ろしい」