Diamond devil


「ね、伊勢君のこと、ノブって呼んでいい?忍だからノブ。私はオハナ。こっちはサクとハルね!」


「あ、自分のことは好きなように呼んで下さい」


お昼休み。

なぜか私たち、私とハルとオハナと編入生ノブは一緒にお昼を食べることになった。


「そういえばハル、さっきノブと何話してたの?」


一パック千円の高級サンドイッチを頬張るハルに私は尋ねた。


「別に大したことじゃないけど。映画の話しとか、ね?」


「ああ、はい。ハル君が映画雑誌を見てたから、気になって自分が話しかけたんです」


「ふぅん。人見知りのハルが珍しい」


「人によるの。ノブはどう見ても善人でしょ」


「あんたの理屈っていつもよく分かんないよね」



何年一緒にいても、ハルはよく分からない。

何を考えてるのか、とか。
どれが本気なのか、とか。


同じ幼なじみでも、オハナなら手に取るように分かるのに。

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