Diamond devil
「3人は幼なじみなんですか?」
「そうだよ!小学校からずーっと一緒。サクとハルは家も隣同士だしね」
オハナがそう答えると、ノブは納得したように言った。
「いいですね、幼なじみって。自分、転校が多かったので、そういう友達っていなくて。羨ましいっす」
「ただの腐れ縁だよ?」
ノブがあんまりキラキラした目で私たちを見るので、私はそう返した。
幼なじみに憧れを持たれても困る。
本当にただの腐れ縁なんだから。
特にハルとはね。
「それでもいいじゃないですか。言いたいことが言い合えるって幸せなことです」
「…そうかな?」
なんだかノブにそう言われると、そんな気もしなくもない。
ノブはハルとはまた違った意味で不思議な人だ。
話しているだけで癒されるというか。
存在自体がマイナスイオンみたい。
「転校が多いって親の仕事の都合とか?」
二つ目の菓子パンを頬張りながらオハナが聞くと、ノブは大きく頷いた。