Diamond devil
少しの迷いもない言葉。

突っ込みたいところだけど、まったくその通りなので突っ込みどころがない。
腹が立つので、せめてもの抵抗にと大きくため息をついた。


「サク、ため息つくと幸せが逃げるよ?」

「…あのね、アンタとアタシがこの世に生まれた時点で、私の幸せはとっくに逃げてったの」


そう。
それは生まれる前から決まっていたこと。

たとえどんなに不本意でも。
たとえ私がどんなに嫌がったとしても。

あの“事実”は決して消すことはできない。


「何、もしかしてまだ不満なの?俺とサクが婚約者だってことが?」

「ったり前でしょ!?つうか公衆の面前でそういうこと言うな!」


そう叫んでハルを思い切り睨み付けた。


ああ、神様。
何故?
何故、私でなきゃいけなかったんでしょうか?

会ったこともないお祖父ちゃん。
私はあなたを一生恨みます。


「別にいいじゃん?うち大金持ちだし、何不自由なく暮らせるよ?」

悪びれる風もなくハルが言った。
コイツの思考回路って本当に理解できない。
別に私のことなんか好きでもないくせに、何で婚約解消しようとしないんだろう?


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