Diamond devil
Chapter,2

嘘のようなホント



結局、カラオケを二時間存分に楽しんで気が付けば外はもう暗くなっていた。


「楽しかったね。ノブ意外と歌上手いんだもん」


「そんなことないっす。オハナさんの方がずっと上手かったですよ」


「オハナは歌だけは上手いもんね。サクと違って」


「悪かったね。音痴で」



私はハルを軽く睨みながら言った。

人間、向き不向きってものがあんのよ。
仕方ないでしょうが。


「そんなことないですよ!サクさんも上手でした」


「…ありがとう、ノブ。あんただけだよ、そんなこと言ってくれるのは」


いつもいつもハルの暴言ばかり浴びてささくれだっている私の心に、ノブの言葉はとても優しい。

本当、ノブって何ていい人なんだろう。


「そんなお世辞、言わなくてもいいんだよ、ノブ。音痴は変えようのない事実なんだから」


ああ、こいつにノブの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい。


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