Diamond devil
Chapter,3
それぞれの未来
よく晴れた日の屋上は特等席。
ノブも入れて4人組になった私たちは、コンクリートの床の上にビニールシートを広げて座り、輪になってお弁当を食べていた。
「そう言えば、皆さんは何て書くつもりですか?」
意外にも自分から会話を始めたノブに少し驚きながらも、私は聞き返した。
「何って…何を?」
「今朝、進路調査の用紙が渡されたじゃないですか。皆さんはどうするのかなぁと思って…」
ああ、そのことか。
高校2年生ともなれば、もうそんな時期。
ちゃんと将来のことを考えて書くようにって、担任がやけに真面目に言ってたっけ。
「私はね、アイドルになりたいっ!」
お弁当のエビフライ片手にオハナが言う。
また何言ってんの、と私が突っ込もうとすると、今度は少し照れ臭そうに笑って続けた。
「なーんて、冗談。本当は、看護士さんになりたいんだ、私」
「そうなの?ちょっと初耳なんだけど!?」
予想してなかった、真面目な答えに、何故か私は焦った。