Diamond devil
「ほら私、ニコニコ笑ってるくらいしか特技ないから。それで他の人に元気分けてあげられたらなぁって」
「そっか。素敵ですね」
ノブがそう言うと、オハナは嬉しそうに笑った。
「ハルくんは、どうするんですか?」
「俺は…、家を継がなきゃいけないから。とりあえず、大学には行くつもりだけど」
「実家は会社か何かを経営しているんですか?」
「うーん、まぁそんなとこ」
ハルが上手く切り抜けたことにホッとしていると、今度は私に話が回ってきた。
「サクさんは?」
「私?私は…」
そういえば私は、いったい何がしたいんだろう。
将来のことなんて、真剣に考えたことなかった。
婚約者は嫌。
極妻になるのは嫌。
そう言い続けてきたけど、だからと言って、他にやりたいことも思い浮かばない。
「…まだ保留、かな。ノブは?」
逆にそう聞き返すと、ノブは真剣な目をして答えた。