Diamond devil
ハルの部屋は、二階の一番はじっこにある。
「ハル、私。いるんでしょ?入るよ」
返事はないけどまぁいいだろうとドアを開けた。
「何?勝手に入んないでよね。不法侵入」
「人の部屋にはズカズカ入ってくるくせに。そういうことは我が身を振り返ってみてから言いなさいよ」
「サク、うるさーい」
ハルはそう言ってヘッドフォンを付けた。
何?
私と話す気はないっていうわけ?
何かムカつく。
私はハルの背後に近付いて、そのヘッドフォンを取った。
「ちょっと、何?」
「人の話を聞きなさい」
「だから何を?別に話すことなんてないって」
「嘘。じゃあ何でそんなにテンション低いの?茂さんも心配してたよ?」
茂さんの名前を出すと、さすがのハルも少し怯んだ。
ハルのお世話役でもある茂さんには、あの生意気なハルも弱い。
「…ノブに言われたこと、気にしてんの?」