Diamond devil
「…ねぇ、サク。極道ってそんなに悪いもの?」
囁くような小さな声でハルが呟いた。
「そ、れは、まぁ。一般の人からしたら、ねぇ?」
「けど、俺にとっては、組員はみんな家族だ。サクはあいつらのことなんてどうでもいいって思ってんの?」
「そんなこと!」
あるわけがない。
菊ノ井も茂さんも他の組員たちも、みんな強面だし、性格も荒い奴らが多いけど、根は優しいんだってこと、私は知ってる。
ハルの父親で現組長のおじさんだって、ヤクザだけど組の恥になるようなことは決してしない。
だからこそ私はおじさんを尊敬してる。
私にとっても、みんなは家族だ。
「私だって、みんなのこと大事だよ。悪い人なんていないもん」
「でも一般の認識は違うんだろ?ノブだってそう言ってたし」
「…だって仕方ないじゃん。大多数からみれば、やっぱり極道は『悪』なんだから」
「…そう、だよな」