Diamond devil
「何だ、綺麗なお嬢ちゃん。俺たちに何か用かな〜?」
「一緒に遊びに行きますかぁ!?」
「…聞こえなかったか?『俺』はさっきの台詞をもう一度言えって言ったんだ」
物凄く綺麗な、だけど物凄く凄みのあるハルの睨みに、チンピラが一瞬怯むのが分かった。
ごくりと息を飲み、それでも苦し紛れにヘラヘラ笑って禁句を口にする。
「何だよ、この女男が。だから俺たちは神竜組の傘下だって言ってんだよ!」
「ふぅん。どこの分家?」
ハルがさりげなく尋ねると、チンピラ2人は焦ったように顔を見合わせた。
「だから、それは…」
ゴモゴモと口ごもる。
ハルはその様子を見て、心底意地悪そうに笑った。
「答えられるはず、ないよねぇ。偽物なんだから」
「なっ!」
図星を指されて、益々慌て始めるチンピラに、ハルが容赦なんてするはずもなく。
「あのなぁ、ウチの組にはテメェらみたいな腐ったチンピラはいねぇんだよ」
ハルがキレた、と私は思った。
口調がヤクザになる時は、ハルが本気で怒ってるって証拠だから。