Diamond devil
「ウチの組だぁ?何言ってんだこの餓鬼は!」
そう言ってハルに近付いたチンピラの1人は、三秒後には地面にひっくり返っていた。
チンピラは自分に何が起きたのか理解出来ずに、仰向けになったまま呆然としている。
ハルは腐ってもヤクザの子。
華奢で儚げな外見からは想像も出来ないだろうけど、私と同等に武道はたしなんでるし、人並み以上に強い。
チンピラの1人や2人は相手にもならないだろう。
「いいか。耳の穴かっぽじってよぉく聞け。俺は神竜組次期三代目組長、神宮寺晴だ。今後一切ウチの組の名前は使うんじゃねぇ!次は命はねぇぞ!!」
ハルのその迫力に、チンピラ2人の顔は途端に青ざめて、一目散にその場から逃げ去った。
ハルは大きくため息をつき、絡まれていた学生にさっさと立ち去るようにと合図を送った。
すると、ペコリと頭を下げて、学生もいなくなった。