Diamond devil
吐き気がするような笑顔で権藤は笑った。
「…どういうつもり?」
嫌な予感がして、私は身構えた。
「おお、怖い。姉御がただ者じゃないのは知ってますからね。でも、これなら手出しは出来ないでしょう?」
「…サクさん…!」
言われて振り向けば、ノブが権藤の仲間に捕らえられていた。
しかもスーツのポケット越しに拳銃をちらつかせて。
「…相変わらずやることが汚いね」
こうなってはもう、手も足も出ない。
悔し紛れに呟くと、権藤はククッと笑った。
「…で、私に何をしろって?」
「さすが、物分かりがいい。大したことじゃありませんよ。ただ三代目に連絡を取って欲しいんですよ」
「…それでどうするの?」
「それはこちらの話ですから。さぁ、早くして下さい。私の仲間は短気なんですよ」
私は仕方なく携帯を取り出した。
もし自分一人なら、何があろうとこいつらの指示になんて従わない。
だけど、今はノブがいるのだからそうは言っていられない。