Diamond devil
  

「あの音って…」


どうやら、気が付いたのは私だけではないらしい。
権藤たちも、その音に気付いて、ざわざわし始めた。


「…約束を破ったのか、この餓鬼!!」


権藤が恐ろしい形相でハルを睨んだ。
でも、ハルは怯むどころか、さもおかしそうに笑った。


「別に、約束は破ってないでしょ。俺は一人で来たし、仲間も呼んでない。呼んだのは警察だけ」


そう。
あの音はパトカーのサイレンの音だ。


「友達がヤクザに連れ去られたって言ってここの場所伝えたから、そろそろかなぁと思ってたんだけど。さあ、どうする?この状況見たら、警察はどう見るかな?いたいけな学生が拉致られてる、としか見えないよね」


「この…」


権藤がギリリと唇を噛む音が聞こえた。



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