Diamond devil
エピローグ
それはたぶん恋人というもの
「行ってらっしゃいやし!三代目、姉御!!」
今日も盛大な見送りの声を受けて、私とハルは学校へと向かう。
「サク、眠い」
「ちょっと、ハル!立ちながら寝ないでよ!私に担いで行けっていうの!?」
あれから数日。
ノブはオハナとも仲直りして、私たち4人は晴れて普通の『友達』になれた。
それはいいんだけど。
ここ最近、ハルの我が儘はさらに酷くなった。
時々、こいつに特別な感情を抱いた自分を否定したくなるくらい。
あれってやっぱり、一時の気の迷いだったんじゃないか、とかね。
「ハル!ハルってば聞いてんの!?」
まったく動こうとしないハルの顔を覗き込むと、不意に腕を引っ張られた。
突然のことで、上手く体勢を立て直せずに、若干前のめりになった。
そして、気が付けば、目の前にハルの端正な顔。
我が儘でも何でも、やっぱり綺麗なんだよなぁ、なんて考えていたら。
「!?」
不意討ちみたいに、柔らかいものが唇に当たった。
呆気にとられて、呆然とする私に、ハルが言った。