花の家
「命の恩人に、その言い方はねぇだろ」

 鈴は不服だ、と香里に訴えるが、香里のむかむかはおさまらない。

「それで鈴が死んだら意味ないでしょっバカっ」

「うるせぇなあ……生きてたんだからいいだろ?」

 どうでもいいことのように頭を掻く鈴目が信じられなかった。

だって、本当に死んでしまうかと思ったのに!

「感動の再会は、その辺にしておいてもらおうか」

 ぱんぱん、と手を叩いて注意を引くやり方は、授業中と同じだ。

狙い通り、香里も鈴も朝蜘に視線をやる。


「……え、先生、どうしてそんな格好してるんですか?」

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