花の家
綻ぶ蕾み
先生が出ていくと、今まで好奇心を抑えていた生徒たちが転入生に群がる。
隣に座っていた、とろくさい香里は人の波に潰されかけて、鈴に引っ張り出された。
「あ、鈴」
「潰されて、また鼻が低くなったんじゃねぇの?」
ありがとう、と言おうとしたのに出端を挫かれて、意地悪、と香里はむくれる。
香里の抗議など気にならない様子で、鈴目は、野次馬丸出しの面々に愛想良く対応している揚羽を睨んでいた。
揚羽くんが、鈴より美形だから拗ねてるのかな。
幼馴染みの贔屓目かもしれないが、今までクラスで一番の男前は鈴だった、と思う。
だから、ライバル心を燃やしても、仕方がないのかもしれない。
隣に座っていた、とろくさい香里は人の波に潰されかけて、鈴に引っ張り出された。
「あ、鈴」
「潰されて、また鼻が低くなったんじゃねぇの?」
ありがとう、と言おうとしたのに出端を挫かれて、意地悪、と香里はむくれる。
香里の抗議など気にならない様子で、鈴目は、野次馬丸出しの面々に愛想良く対応している揚羽を睨んでいた。
揚羽くんが、鈴より美形だから拗ねてるのかな。
幼馴染みの贔屓目かもしれないが、今までクラスで一番の男前は鈴だった、と思う。
だから、ライバル心を燃やしても、仕方がないのかもしれない。